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【ちょっとMITEYO!】
「水羊羹・玄冬花」

 奈良をこよなく愛するコラムニストMが、奈良の「深~い魅力」を読者にお伝えしようと東奔西走する企画「ちょっとMITEYO!」。和菓子や伝統工芸、職人さんを訪ね歩きます。

水羊羹・玄冬花

(取材日:令和3年1月)

 東吉野村の山里に、新小豆の収穫を待ち、水羊羹を作り始める和菓子職人がいらっしゃいます。村に一軒だけの和菓子店「御菓子司 西善」(☎0746―42―0061)。江戸後期創業三代目の老舗です。 二年前、東吉野村へ仕事で伺った折、「ここの和菓子は本物だよ」と、教えていただいた。当時、勉強不足の私は、雪がちらつく中、「えっ?この時期に水羊羹が売っているの?」と物珍しさで水羊羹をいただいて帰ったのを鮮明に覚えています。その後、水羊羹は、かつておせち料理のひとつとして食されており、現在も冬場の和菓子として食されている地域があると知りました。 考えてみれば、小豆は10月~2月に収穫されます。小正月にはあずき粥をいただく風習もあります。一番美味しい時期の新小豆を極限まで緩めに煮詰めることで小豆本来の味を楽しめる。冬に水羊羹をいただく事は、そんなに驚くことではないように思えます。西善さんの水羊羹は上品な甘さ。口の中でスーーーッと溶けて小豆の良い香りが口の中に広がります。 さすがの職人技はもちろんのこと、やはり東吉野村の澄んだ寒の水、夜の冷え込みで固まる寒天の歯ざわりも味方しているのでしょう。暖房のきいた部屋でよく冷えた新小豆の水羊羹をツルンといただく。『あーーー美味しい!』なんと贅沢な楽しみ方でしょう。連日注文に追われるのも納得のお味です。 例年では、新小豆が手に入るお水取りぐらいまでは作られるそうです。今年も食べられる期間はあと少し。電話注文でクール宅配便で配送してくれますのでお早めに。 (コラムニストM)

  

御菓子司 西善
住所:奈良県香芝市瓦口158−4 エー・アイ・ビル102
電話:0746―42―0061

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