【ちょっとMITEYO!】
きみごろも
奈良をこよなく愛するコラムニストMが、奈良の「深~い魅力」を読者にお伝えしようと東奔西走する企画「ちょっとMITEYO!」。和菓子や伝統工芸、職人さんを訪ね歩きます。
きみごろも
(取材日:平成31年5月)
「雲って、何でできているんだろ? ふわふわとして綿菓子みたいなのかなぁ?食べてみたいなぁ」と、幼少期に想像したのは、私だけではないと思います。そんな淡い記憶も消えてしまっていた頃、雲への憧れが走馬灯のように蘇った和菓子に出会いました。
近鉄大阪線「榛原駅」を下車しバスで15分ほど、「重要伝統的建造物群保存地区」に選定された宇陀の松山地区があります。この地区は、旧城下町のレトロな町並みで、商屋の名残りを現す木製看板や、家々の虫籠窓(むしこまど)を楽しみながら、ぶらりと散策するのにピッタリです。
レトロな風景に溶け込むように佇む創業明治35(1902)年の松月堂さん(宇陀市大宇陀上、☎0745―83―0114)の「宇陀 きみごろも」は、卵白をメレンゲ状にして卵黄をつけて焼いた和菓子です。ふわふわで、スーッとほどけて消えてしまう食感は、まさしく雲の如く。素朴なのに上品な甘さと、かすかな卵黄の風味が、まろやかに相成り、今までに食べた事のない素晴らしい味わいが大勢の人々の心を魅了しています。
「きみごろも」は、初代が考案し、一子相伝で受け継がれており、松山のお店でしか手に入らなかった貴重な和菓子。ですが、ここで朗報! 最近、近鉄百貨店奈良店(奈良市西大寺東町、☎0742―33―1111)内の大和路ショップにて、毎週水曜日数量40セット限定で「宇陀 きみごろも」を販売しています。雲を感じて和菓子を食べてみませんか。 (コラムニストM)
松月堂 住所:奈良県宇陀市大宇陀上1988
電話:0745―83―0114
定休日:水曜日
近鉄百貨店奈良店 住所:奈良県奈良市西大寺東町2丁目4−1
電話:0742―33―1111