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憧れ、走り続けたジャズドラマー
導かれた天川の縁、実現へ夢

(取材日:平成29年4月)

 中学、高校の青春時代を奈良で過ごしたシンガーソングライターで俳優の大垣知哉さん(写真左)が、奈良にゆかりのある伝統を継ぐ人や一流のエンターテイナーたちと、奈良への思いを中心に対談します。

ジャズドラマー 平井 景さん

 奈良高校出身でジャズドラマーとして活躍する平井景さんは今秋、セカンドアルバム「Running Man」をリリースした。多いときは年120回のライブをこなすなど、ドラムに憧れ、走り続けた平井さんが、今回のアルバム作りや、過去7年間行ってきた天川村でのコンサートなどについて、大垣知哉さんと対談した。会話を通じて2人が天河大辯財天社にご縁ができたことがわかり、「共におもしろいことをやろう」と、話に花が咲いた。


 大垣 平井さんがドラムに打ちこむようになったのはいつ頃からですか。


 平井 小学校のときに一条高校の定期演奏会に友達に誘われて行ったのがドラムの音との出会いですね。忘れもしません、その演奏会でクリスタルキングの「大都会」の演奏があって、「何てかっこいいんだ!」と衝撃を受けました。家で、菜箸でまね事をやったりしていました。
 けれどドラムに憧れても音楽室にさえ身近にドラムはなかった。中学1年生当時は剣道部で、その帰りの住宅街であの音、ドラムの音が聞こえてきたんです。音の方へ歩いていくと、とある住宅にたどり着きました。そこから聞こえているのは間違いないんですが、チャイムを押しても誰も出てきてくれない。
 どうしても見たい―。その一心で窓に小石を投げて、ようやく気付いてもらえました。大学生のお兄さんが出てきてくれて「ドラムセットを見たいです」とお願いしたんです。お兄さんは快く「たたいてみるか?」と言ってくれました。


 大垣 劇的なドラムとの出会いですね。長い間、ドラムと走り続け、そして作られた新しいアルバム「Running Man」を聴かせていただきました。大胆な構成で、映画を観たようなドラマチックな感じを受けました。


 平井 そう言ってもらえるとすごくうれしいです。ドラマーが、ただ目立つだけのアルバムというよりは、音の世界観を表現したいと思って作りました。音と音の隙間を活かし、すべての楽器の音を濁らせない透明度の高いクリアーな魅力が感じられるアルバムにしました。


 大垣 僕らの世界って、ついつい足し算をしてしまうところがあると思うんです。隙間って怖いですから。


 平井 すごくわかりますよ。隙間はすごく怖いですよね。そしてもう一つ!今回のアルバムは、一流のミュージシャン&スタッフに助けられました。チームワークは宝物ですね。


 大垣 全国各地、奈良県内でも活動されている平井さんですが、奈良での活動はまた違った感情がありますか。


 平井 実は、学生時代の後輩の紹介で、28歳から35歳までの7年間、奈良の天川村から呼んでいただいて、毎年クリスマス・コンサートを開催していました。お客さんは天川村の皆さんで、毎回100人以上の方がお越しくださいました。
 僕は作曲する手がかりとして、風景やストーリーを大事にしています。ふわっとメロディーが落ちてくるまで集中し、きっかけを離さないように切れないように紡いでいく。なので、若かりし頃、あの美しい天川村の景色をもっと心に焼き付けておけば、今の曲作りに活かせたかな?と、思っていました。
 そんな思いを胸に、2年前のツアー中、奈良から関東に車で移動の折に、ほんの少し時間ができ、メンバーからの希望で、引き寄せられるように天川村の天河大辯財天社を何年ぶりかに参らせて頂くことができ、懐かしい風景に触れることができました。


 大垣 ええっ!僕も先日、引き寄せられるように天河大辯財天社に参ったばかりです。天河大辯財天社は「縁がなければたどり着けない」と言い伝えがあるそうです。ようやく呼んで頂けたようで、すごくうれしかったです。


 平井 このお話しには、まだ続きがあるのですよ!その後また、天河大辯財天社を参らせて頂く機会があり、色々ないきさつを経て「天河大辯財天社の能舞台でドラムを叩きたい!」という僕の思いが伝わり、能舞台で奉納演奏をさせていただく話へと、トントン拍子で進んだのです。ですが残念なことに、その演奏予定だった一昨年は台風の被害を受け実現できませんでした。今も、能舞台で奉納演奏をさせて頂きたい思いを持っています。


 大垣 すごい!ぜひ、ワンフレーズでもご一緒させてください。僕も先日「能舞台で歌わせていただきたい!」と、思ったんです。


 平井 ご縁ですね。ぜひ、実現させたいですね。なるほど、あの時は、大垣さんというピースが足りなくて、実現しなかったのかな?おもしろいことを考えてみたいですね。


 

ひらい・けい
  大阪生まれ、奈良育ち。1992年より活動を本格化し、数々のコンテスト受賞暦を持つ。
 全国各地での自身のコンサート、有名アーティストのプロデュース、NHK・TV番組、ラジオ番組オープニング&エンディング・テーマおよびBGMの作曲・音楽制作担当。
 大手企業CM、内閣府ビデオ、テレビ番組音楽などの作曲・音楽制作を担当。
URL:http://www.kayhirai.com/
 
【撮影場所】ブルーノート
住所:奈良市勝南院町11-1
電話:0742-27-8230
URL:http://kyoto-bluenote.jp

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