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家庭に焦点、コメディファンタジー
映画「かぞくわり」制作開始

(取材日:平成28年7月)

 中学、高校の青春時代を奈良で過ごしたシンガーソングライターで俳優の大垣知哉さん(写真左)が、奈良にゆかりのある伝統を継ぐ人や一流のエンターテイナーたちと、奈良への思いを中心に対談します。

映画監督 塩崎 祥平さん

 大和郡山市を舞台にした映画「茜色の約束」を手掛けた、映画監督の塩崎祥平さんの次作映画「かぞくわり」の制作がスタートしている。二上山を中心に葛城市、大和高田市、香芝市、御所市などを舞台に、ベッドタウンにある一つの家庭に焦点を合わせ、家族間で起こるさまざまな出来事をのぞき見るようなコメディータッチで描く。新たな手法で作ることに挑戦する「かぞくわり」について、シンガーソングライターで俳優の大垣知哉さんと対談した。


 大垣 この映画制作は出資者で組織する「LLP(有限責任事業組合)」という珍しい方式を取っておられますね。何か理由があるんですか。


 塩崎 ずっと考えていたんです。映画を作って終わる。作り上げた時に達成感に満ち溢れて「やった感」はすごくあるんですが、せっかく作ったものを広げ、長く存在してこその映画だと思うんです。
 映画完成で終わるのではなくて、映画はきっかけになるべきと考えたんです。例えば映画で収益が上がれば、また違うイベントに投資したり、全国に「奈良でこんなおもしろいことやってる」と広める会社というか、そういうものがあってもいいと思って、こういう方式にしました。 
 この作品に関しては撮影させていただいた葛城市の当麻寺でお披露目の上映会、そして全国のお寺で上映したいなと、今からいろいろな展開のことを考えています。


 大垣 自分も映画に主演させていただいたことがありますが、制作へのエネルギーはもちろんですが、その後に必要なエネルギーは制作以上だということを経験しました。入口からちゃんと出口のことを考えて作る、そのための組織ということですね。
 地域を巻き込んだ監督の前作、大和郡山市を舞台にした「茜色の約束」は、大きな反響がありましたね。


 塩崎 地域に特化した映画作品は、その地域から外へということが難しくなります。そういう意味で今回はLLPを組織したこともそうですが、地域の枠組みをいかに超えるか、僕にとっては挑戦の作品になります。
 今回も自分らしいというか、コメディー、ファンタジーの要素を取り入れています。好きなんでしょうねこういう要素が。架空の人物や歴史以上の人物など、 この奈良にはなんとなく、 ワクワクするファンタジーの素材がたくさんあると思うんですよね。


 大垣 家族をテーマにした今回の作品はどのような展開になるのですか。


 塩崎 今回は自分自身が妻の家族と同居した経験のことを書き出したところからスタートしました。どんな家族にもいろいろな日常がありますよね。本人たちは「問題」と捉えているかもしれないですけれど、他人から見ると滑稽だったりするじゃないですか。そんな「住宅街あるある」をふんだんに詰め込みました。
 家族同士、なんとなく話していないことがあるじゃないですか。どんな家族でも家族を保つためにふたをしていることがあると思うんです。一つ屋根の下の家族構成が変わったりして、ふたをしていたものが一気に噴き出します。
 登場する本人たちは大まじめやけど、映画を見てくれる人はそれをのぞき見して、クスッとなる展開を考えています。


 大垣 奈良を舞台にした監督の映画の完成を楽しみにしています。


 

しおざき・しょうへい
  米国、サンノゼ州立大学にて映画製作を6年間学ぶ。帰国後、百米映画社入社。2007年 初監督。 2009年「Pictures Battle×how Biz Japan」でグランプリを受賞。2012年 出身地である大和郡山で金魚を題材に「茜色の約束」を監督。
 
映画「かぞくわり」
 二上山ふもとの新興住宅街で暮らす定年を迎えた夫、妻、ひきこもりの長女の元に、夫と別れた次女が娘を連れて帰ってくることで家族の「日常」が様変わりすることから物語が始まる。
 家族がバラバラになる「家族割り」また「家族の役割」をタイトルに込め、日本各地にあるかつての新興住宅地の核家族の今を、歴史ファンタジーを織り交ぜながら、コメディータッチで描く。
かぞくわりLLP:http://kazokuwari-llp.com/
 
【撮影場所】ギャラリーカフェ Takeno
住所:奈良市今御門町32-1
電話:0742-22-7615
営業時間:10:30〜19:00(ギャラリーは18:30まで)
定休日:毎週水曜日・第1火曜日
URL:http://gallerycafe-takeno2010.jp/

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