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【ちょっとMITEYO!】
桜餅

 奈良をこよなく愛するコラムニストMが、奈良の「深~い魅力」を読者にお伝えしようと東奔西走する企画「ちょっとMITEYO!」。和菓子や伝統工芸、職人さんを訪ね歩きます。

桜餅

(取材日:平成31年4月)

 四季折々の情景を美しく表現し、巡りくる季節を告げる和菓子。古くは、宮中の季節行事のご馳走だったそうです。味覚でも季節を楽しめるのは、日本の四季がはっきりしているからこそ。
 特に春の和菓子は、味覚だけではなく、香りにまで職人さんのこだわりを感じます。春の定番の和菓子は、やはり桜餅ですね。
 そして、桜餅の名脇役と言えばお餅をくるんでいる桜の葉。ほんのりと香り、食欲をそそる葉ですが、生の葉に香りはありません。
 葉は、塩漬けにすることで芳香を放ちます。関東では大きめの葉が、関西では小ぶりの葉が人気だそうです。花仙堂さん(押熊店/奈良市押熊町、☎0742―48―3755)の桜餅は、厳選した国産の素材。はっきりと粒がわかる道明寺粉は、柔らかでもっちもち。ほどよく緩めのこしあんとの組み合わせが絶妙です。
 よく見るピンクに染まったお餅ではなく、真っ白なお餅に、緑の葉。ちょこんとトッピングした塩漬けの桜の花が、なんともかわいいこと。お花とお餅を一緒にいただくと、塩味と桜の香りが口の中いっぱいにふわぁ~と広がります。
 今月号が皆さんのお手元に届く頃には、桜も桜餅も終わりに近づいている事でしょう。ゆく春を惜しみ、今年最後の桜餅を味わってみてはいかがでしょうか。
 桜餅は、その年の季節の流れにより販売期限が異なります。お買い求めの折にはお電話確認をお勧めします。
 (コラムニストM)


季撰菓匠 花仙堂・押熊店
住所:奈良県奈良市押熊町1068-2
電話:0742―48―3755
定休日:火曜日(祝日の場合は営業)

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