【ちょっとMITEYO!】
柿ころも
奈良をこよなく愛するコラムニストMが、奈良の「深~い魅力」を読者にお伝えしようと東奔西走する企画「ちょっとMITEYO!」。和菓子や伝統工芸、職人さんを訪ね歩きます。
柿ころも
(取材日:平成31年2月)
柿は熟し加減によって、違った味や食感が楽しめます。カリッと固い甘柿は、デザートとしてだけでなく、サラダや胡麻和えにも良し。トロリと熟せばブランデーをかけて、冷凍すると高級シャーベットになります。
そして渋柿は、冬の寒風にさらされて甘い干し柿になります。そのままでは食べられない渋柿を干して渋を抜く。想像を遥かに超えた先人の知恵と工夫には驚くばかりです。
渋柿は干すことによって糖度が増し、栄養効能効果が大幅にアップします。おいしい上に、美肌や血圧を下げる効果も期待できる日本のスーパードライフルーツです。
わたしはJR奈良駅を通ると、干し柿を専門に扱い、菓子として販売されている奈良吉野いしい「柿の専門」(奈良市三条本町、☎0742―25―3535)に立ち寄ります。 いしいさんのお店は、生成りで統一され、木の温もりが感じられる癒しの空間。包装紙やパッケージには、余計な色や文字が無く、余分なものを加えないお菓子とマッチしていて素敵です。「自然の恵みに感謝し、手間隙かけて、愛情を注ぎ込んだ」。それが、いしいさんのお菓子。
亡き母が大好きだった柿。今日は、干し柿の中に柚子の香り豊かな黄身餡を合わせた「柿ころも」を、お供えに買って帰ります。 (コラムニストM)
柿の専門 住所:奈良市三条本町
電話:0742―25―3535