【ちょっとMITEYO!】
豆落雁・南都七大寺
奈良をこよなく愛するコラムニストMが、奈良の「深~い魅力」を読者にお伝えしようと東奔西走する企画「ちょっとMITEYO!」。和菓子や伝統工芸、職人さんを訪ね歩きます。
本家・菊屋
(取材日:平成30年8月)
和菓子の中でも、菓子職人、菓子木型職人の繊細な技術が光る落雁(らくがん)は、インスタグラムのはやりもあり、さらに人気が高まったお菓子の一つではないでしょうか。伝統や文化が時代の波に乗り、今まで知らなかった人の目に止まることは、伝承に繋がり喜ばしいことだと思います。カラフルな色合い、果物の味など、現代風の落雁が脚光を浴びているようですが、私のイチオシは、江戸時代から伝わる豆落雁です。
豆落雁は、駿河特産として有名なお菓子がありますが、一般的に販売しているお店はとても少ないです。私には、初めて食べた時、感動した豆落雁があります。奈良で一番の老舗菓子店である本家・菊屋さん(本店/大和郡山市、☎0743・52・0035)の『南都七大寺』南都の古寺を古瓦で表現した豆落雁です。職人さんは、豆落雁を打った後、一枚、一枚、表面をバーナーで炙ります。炙ることで、御寺の名が浮かび、大豆そのものの甘さに香ばしさがプラスされ、なんとも味わい深いお菓子が完成します。
製造個数に限りがあり、配送不可の商品です。長年の根強いファンが多く、隠れた人気商品ですので、店頭で在庫があればラッキー。職人さんの技と、素材の良さが伝わる老舗ならではのお菓子です。
(コラムニストM)
本家菊屋 本店住所:大和郡山市柳1丁目11番地
電話:0743-52-0035