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「占いは心のライフラインに」 利用者の歩む道作りサポート

片上醬油代表 梅田 文さん

(取材日:令和元年11月)

 35都道府県に57店舗を展開し、月に約3万人が相談に訪れる占いの館「千里眼」代表を務める梅田文(46)さんは、「占いはアミューズメントの域を超えて、利用者の心のライフラインになっている」と語る。梅田さんが生まれ育った奈良にも店舗を構え「お客さまの悩みにお客さま以上に真剣に取り組む」という理念で「誰にでも気軽に利用してもらえる空間作り」を日々追い求め、訪れた人の歩む道作りをサポートしている。


 システム開発やアプリ制作といったITの仕事に携わっていた梅田文さんは2011(平成23)年に「実際に会える占い師を」という思いから大阪府内に千里眼をオープンさせた。きっかけは、当時占いのアプリの需要が伸び実際に自身も制作していた中で、利用している人たちが「この占い師って本当にいるの?」という気持ちからフラストレーションが溜まっていると感じたことから。
 それに加え「占いをしてもらいたい人はたくさんいる。また、占いをできるという人もたくさんいる。でも、占いは個人でしている業界だったので、『どこでしているの?』と分かりづらいものだった。それを会社単位でやったらどうかと考えたんです」と梅田さんは話す。
 開店時には多くの利用者が訪れ「あえてアナログに戻したことで占いのアプリで感じた利用者のフラストレーションを解消できたと思う」と梅田さんは当時を振り返る。
 千里眼では各占い師個人の考えを尊重しているため、教育や指導などは行っていないが「お客さまの悩みにお客さま以上に真剣に取り組む」という共通理念は徹底。さらに占いという言葉に「料金はいくらなんだろう」「何か買わされるんじゃないか」といった霊感商法的なネガティブさを払拭したいという強い思いから物販は一切せず、相談料金については10分毎1000円で指名料金なども発生しないシステムにしている。
 そんな理念と思いを日々追求する中で梅田さんは、震災で家族に連絡が付かないということで千里眼の占い師に相談があったという話を聞いた。その時に「占いはアミューズメントの域を超えて、心のライフラインという部分もあるのではないか。だからこそ丁寧に対応しないといけない」とさらにその思いを強くした。
 店舗を増やすにあたり梅田さんは、利用者を各占い師のもとへ誘導する行程をすべてネットワーク上で完結させるためのシステムを2年かけて構築。利用者はホームページから占い師の状況をリアルタイムで確認することができ、店舗では設置されたタブレットから簡単に相談を希望する占い師を自分で選ぶことができるようになった。そのため受付に人を置く必要もなくなり、悩みをかかえて相談に来る利用者の負担をさらに減らすことにも繋がった。
 そのシステムが導入されたことで店舗の経営がシンプルなものになり、現在千里眼は1号店の開店から8年で地元の奈良をはじめ北海道や名古屋、沖縄などの35都道府県で57店舗に拡大。約700人の占い師が在籍し、月3万人を超える利用者が訪れる。
 梅田さんはより多くの人たちが悩みを相談できる場所を作りたいと全都道府県への出店、在籍占い師1000人を目標に歩み続ける。


うめだ・あや 
 橿原市出身。生駒市在住。大阪四天王寺高校卒業後、同志社女子に入学。システム開発やアプリ制作のIT会社に勤める。2011月3月に大阪難波に千里眼1号店をオープン。「お客さまの悩みにお客さま以上に真剣に取り組む」を経営の理念に掲げ、現在35都道府県に57店舗を展開する。

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