サイト名

学び 発見 奈良の魅力を深く

トップ > 人物 >平田 進也さん

都会の旅行者と地方の架け橋 人の笑顔と特別な思い出提供

カリスマ添乗員 平田 進也さん

(取材日:令和元年9月)

 大和高田市在住で日本旅行の平田進也さんは、歯に衣着せぬトークで2万2000人ものファン登録があるカリスマ添乗員として知られている。「第二のふるさと」と言う五條市をはじめ、旅行者にとって県内にはさまざまな観光資源があると語り、都会の旅行者と地方の架け橋として活躍している。地方観光の発展のためには「よそ者、ばか者、若者のアイデアが必要」と力を込め、奈良の観光発展のため、その可能性を説く。


 今の姿からは想像もできないほど小学生のころは内向的な性格だった。授業参観でびくびくしていた自分に対して父親が「存在感がない」と言った。続けて「何でもええ、一番になれるもんを作れ」と。
 大淀町内の中学に進学して学級委員長を決める際にその父の言葉を思い出し、無意識のうちに手をあげてしまった。他に立候補のない状況だったが、突然対抗馬が現れ、選挙になった。その結果、1票差で自分が学級委員長に選ばれた。
 「でも会議で何をしゃべったらええかわかりません。すぐに先生が『平田、もうええやろ。代わるか』とまで言ってきた始末。しゃべられない会議で苦し紛れに先生のモノマネをしたんです。これがドカンと受けまして」と語る。
 平田さんは「これが探していたもんや」と感じた。そこから中学、五條高校時代は「お笑い」にのめりこみ、テレビを見ては漫才のリズムや笑いどころなどを研究し、ノートにしたためた。
 大学在学中にはテレビ番組の出演に自ら応募し、「ラブアタック!」には実に27回も常連出演。この番組のプロデューサーに「お前おもろいからサービス業がええわ」と助言され、新卒で旅行業界に飛び込んだ。
 「お金を貯めこんでもあっちへ持って行けませんで。生きている間に僕が天国のような景色を見せてあげますわ」。歯に衣着せぬトークで顧客の信望を集め、また自ら企画する旅行商品はファンやリピーターに喜ばれ、一人で8億円を売るほどになっていった。そのトークはテレビ番組をはじめ「僕は出してもらったら電波でも言う」。
 一部から批判を受けるリスクもあるが、平田さんは「ほんまのことをちゃんと伝える」ことを信条にしている。さらに旅行会社が売りたいものではなく、顧客が欲しい商品を作ることを大切にしている。 
 京都府や島根県、奈良県橿原市など多くの自治体の観光大使にも任命されている平田さんは、行政の観光会議にも呼ばれる。ここでも「ほんまに観光を良くしていくならば、よそ者、ばか者、若者で考えなあかんて言うてます。地元は『変える』ことに否定的な方もおられます。でも変えやな、今より良くはならない」と語る。
 平田さんが勤務する西日本営業本部内には「おもしろ旅企画ヒラタ屋」があり、代表を務めている。自らさまざまな旅行商品の企画を行い、「第二のふるさと」と言う五條市では、愛犬と川遊びができるツアーを企画して即完売。囲いのない大自然の中で愛犬と自由に遊び、鮎を焼いたり、ジビエ料理を味わうなど大好評だった。
 地元の人が「こんな何もないところ」と言う場所が、実は都会の人にとって素晴らしく価値ある場所だったりする。平田さんはその価値を見出だし、架け橋になることに努めている。地元では気づきにくい価値だからこそ「よそ者、ばか者、若者」が新しい風を入れなければならない。
 「奈良市を中心としただけの観光ではなく、県南部を中心に多くの観光資産がある。ニッチなマーケットをつなげることこそ、僕の役割。お客さんが喜んで訪れる場所でお金を使ってもらい、地元の経済が回ってなんぼ」と力を込める。
 観光は『光を観ること』と説く平田さんは、都会の顧客、地方のそれぞれに光を当て、「おもろいトーク」で多くの人の笑顔と特別な思い出を提供し続けている。


ひらた・しんや 
 大淀町出身。五條高校、京都外国語大卒。日本旅行西日本営業本部担当部長。顧客の希望で誕生したファンクラブは2万2000人もの登録があり、企画した旅行商品は発売後すぐ完売する「カリスマ添乗員」。全国各地の府県、や市町村の観光大使としても活躍。テレビやラジオへの出演多数。著書に「出る杭も5億稼げば打たれない」(小学館)など。
URL:https://www.nta.co.jp/hirataya/

SNS

PR

ページのトップへ戻る