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僧侶がインスタで情報発信 「奈良には長谷寺がある」

長谷寺僧侶 瀧口 光記さん

(取材日:平成30年12月)

 「花の御寺」として名高い桜井市初瀬の長谷寺の広報担当をしている僧侶・瀧口光記さん(36)は、2年前からインスタグラムを利用し始め、今や1万7000人を超えるフォロワー数を獲得している。「『奈良県と言えば長谷寺』とすぐに名前が挙がるようにしたい」と話す瀧口さんは「SNSでの情報発信はトリガーと考えている。情報を密に発信し続けることで、多くの人に知ってもらう機会を増やしていきたい」と思いを語り、境内の四季折々を写す。


 24歳で長谷寺の僧侶になった瀧口さんは3年前に教務部に異動し、ホームページでの広報を担当することになった。週一回のぺースで写真と文章で長谷寺を紹介する内容のブログを更新していた。
 大学2年生からカメラ撮影を趣味にしていた瀧口さんは、ブログの更新を続ける中「長谷寺を効果的に発信する方法として『写真で見る人を惹きつける』ということが方向性として合っていると感じていた」と話す。
 そんな時に、諸大寺がインスタグラムの活用を開始。それをきっかけに瀧口さんは、インスタグラムで写真を使った広報活動をしたいと上司に伝えた。
 写真の美しさなどが評判を呼び、現在ではフォロワー数が1万7000人を超え、同世代の僧侶や周りからも褒められることが増えてきた。しかし開始当初は「目指すなら京都の清水寺のようにやらないといけない」「プロが撮影したものをアップするのがいい」といった話も耳にしたと話す。
 瀧口さんは、毎回写真投稿する際「フォロワーの方々は長谷寺を見ているのであって決して長谷寺の瀧口光記を見ているのではない。それを間違わないように気を付けている」と話す。
 そのために自分の中でのルールを設けている。まずは世間一般の人が思い浮かべている「僧侶」としてのイメージを崩さないこと。次に爬虫類などの生き物は、苦手な人がいるので明確な意味がある時以外は極力掲載しないこと。
 そして、僧侶を撮影する場合は「長谷寺の僧侶」ということ以外に個としての余計な情報が入らないことを心がけ、正面から撮影しないなど、主役はあくまで「長谷寺」の工夫をしている。
 瀧口さんが今まで投稿したもので最も手応えを感じたものは、毎⽉18 ⽇に焚(た)く護摩の燃え上がる炎に、護摩⽊をくべる様⼦を撮影したもの。撮影した時に自分でもいい写真が撮れたと感じ、実際投稿したものにもコメントが多く反響が大きかったと笑顔で話す。
 長谷寺はピーク時には年間50万人を超える参拝者が来ていたが、最近では20万人ほどまで落ちてきていたという。瀧口さんは「インスタグラムの投稿からメディアにも取り上げられ、徐々に増えているように感じる」と話すが「もっと多くの人に長谷寺のことを知ってもらい、ぜひ足を運び観音様の信仰や長谷寺の景観を楽しんでもらいたい」とも。
 今後広報を続けていくことで「有名なお寺が数多くある奈良県で『奈良といえば長谷寺がある』とすぐに名前が挙がるような知名度にしたい」と、瀧口さんは熱い思いを込めシャッターを切る。

たきぐち・こうき
 三重県出身。地元の高校を卒業後、東京の仏教大学へ。その時、長谷寺の朝の勤⾏に参加し内舞台でお経を唱えた際に感動を覚える。自分も観音様の近くの外陣でお経を唱えたいという思いから大学卒業後は長谷寺で2年間の修行を選択。その後そのまま長谷寺に残り僧侶となる。総務部や法務部を経て3年前から教務部へ。。
長谷寺
住所:奈良県桜井市初瀬731−1
電話:0744-47-7001
URL:http://www.hasedera.or.jp/
インスタグラム:@hase_dera

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