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元阪神投手、クラブ創設 県外流出止め完全燃焼の場を

社会人硬式野球クラブ「NARA DEERS」監督 池内 豊さん

(取材日:平成30年11月)

 阪神タイガースなどで活躍した元プロ野球投手・池内豊さんが監督として率いる社会人硬式野球クラブチーム「NARA DEERS」が2019年から始動する準備を進めている。来月12月8日には五條市で第一回トライアウトを開催する予定で、池内さんは「奈良県初、社会人からプロに送り出したい」と語り、プロを夢見て県外に出る若者、また最後にもう一度プロの夢へ完全燃焼したい青年たちの奈良での受け皿作りに燃える。


 池内さんは香川県出身。エースとして汗を流した同県立志度商業高校卒業後、サイドスローからのキレるシュートを武器に昭和45(1970)年のドラフト会議で南海ホークスに入団。阪神タイガース、横浜大洋ホエールズ、阪急ブレーブスを渡り歩いた。
 現役引退後はオリックス、中日ドラゴンズのコーチとして指導歴を積み、関西独立リーグの監督などを歴任して後進の指導に当たっており、これまで数人、プロ野球選手を育てている。
 阪神淡路大震災のチャリティーコンペを奈良の知人と共に開催してきたことで奈良との縁が生まれ、今年から県教委の外部指導者として、県立大淀高校野球部の指導を行ないながら、来シーズンから戦う社会人硬式野球クラブ「NARA DEERS」(運営=一般社団法人奈良しかさんず)の準備を進め、県内を奔走してる。
 池内さんは社会人のクラブ創設にこだわりを持っている。その一つの理由は、野球をしている高校生や大学生が、野球ができる場を求め、県外に出て行ってしまう現状を打破したい思い。「能力のある子はたくさんいる。その子たちが働きながら、プロの夢を追いかけることができるクラブをつくりたかった」と語る。
 もう一つはプロを諦められない青年に、最後のチャンスと、完全燃焼できる場を作りたい思い―。「きちんとした環境と指導で生まれ変わることができる選手、再生できる選手を、プロに送り出したい。中途半端で終わらせてほしくない。本人が『野球をやりきった』と思えてこそ、次を本気で全力で取り組めるのだと思う」と力を込める。
 奈良県内の高校、大学からドラフト会議にかかった選手はいるが、未だ奈良の社会人クラブからのプロ入りはない。池内さんは奈良未踏の社会人からプロに送ることを本気で見据えている。
 12月8日正午から五條市の上野公園野球場で初のトライアウトを開催する。参加希望者は下記のアドレスからエントリーシートをダウンロードし、ファクス0743(20)9432へ。
 池内さんは「原石に出会いたいし、出会えるんじゃないかと思っている」と話し、トライアウトで共に夢を追いかける出会いを待っている。

●エントリーシートのダウンロードはコチラから

いけうち・ゆたか
 香川県出身。元プロ野球投手。右投右打。南海、阪神、横浜大洋、阪急で通算452試合に登板、主にリリーフとして活躍。定評あるコントロール、鋭く変化するシュートを武器に31勝31敗30セーブをマーク。今年から県教委の外部指導者として県立大淀高校の野球部を指導しながら、来年から参戦予定の社会人硬式野球クラブ「NARA DEERS」の監督に就任した。

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