電気で奈良を元気に 地元愛する仕掛け人
奈良電力株式会社 代表取締役 山本 譲二さん
(取材日:平成30年5月)
電気で奈良を元気にしたい―。「業界最安値」を掲げる奈良電力(御所市城山台)は、低価格の料金プランだけでなく、契約者の県民と共に奈良を盛り上げていく仕掛けが好評を呼び、一般家庭の契約数を伸ばしている。同社を率いる山本譲二社長は「浮いた電気代で外食とか、そういったことから奈良を元気にしていきたい。電力マネーを他府県へ流出させるのではなく、みんなで奈良の経済を循環させたい」と語り、仕掛け人は挑戦を続ける。
電力の小売り全面自由化を見据えて設立した奈良電力は、グループ総売上100億円超を誇る山本商事グループの一員で、県内で使われた電気料金を地元で循環させ、最終的に県民に寄与できる「ふるさと納電」を提唱している。
県内で1年間に使用される電気を金額換算すると約2180億円にも上り、このうち1733億円、実に8割近くが他府県の電力会社の売り上げになっている。
山本社長は「これが非常にもったいないなと感じたんです。大きな電気マネーが県外へ流出し、ひいては他府県の税収につながっている。奈良で使われた電気代は奈良県民や奈良の自治体に還元されるべきだと思いましたね」と振り返る。
続けて「ようやく選べるようになった契約者にとってみれば、電気代はもちろん安くなって欲しいし、プラスアルファの付加価値も欲しい。奈良電力は地元の電力会社だからこそ、みなさんの電気料金から奈良をさらに活性化させる仕組みを考えようと、社員と共に知恵を絞りました」
こうしてこれまでの「県外流出」から「県内循環」へと舵を切るキーワード「ふるさと納電」を提唱。さらに収益の一部を積み立て、県内の教育や福祉、スポーツ、文化などを応援する「ならでん基金」を創設し、積極的に県内の各団体を支援している。また同社のこれらの取り組みが支持され、契約者数の広がりを見せている。
山本社長は「奈良電力はいわば親会社の山本商事グループの最大のCSR(企業の社会的責任)ととらえています。みんなで奈良の経済を好転させていくそんな県民のツールになりたい。料金はシンプルに安く、そしてみんなが自動的に気軽に社会貢献に参画できるよう、さらに取り組みを進めていきたい」と力を込める。
もっともっと奈良を盛り上げたい、その思いが今日も、若き仕掛け人を突き動かす―。
やまもと・じょうじ
山本商事グループ代表。平成27(2015)年に電力の小売り全面自由化を見据え、奈良電力㈱を設立し、代表取締役就任。業界最安値の料金プランを掲げると共に、ふるさと奈良を盛り上げようとさまざまな仕掛けとアイデアで、地域電力のあり方に挑む 奈良電力株式会社 住所:奈良県御所市 城山台587-3
電話:0120-088250
URL:https://www.naradenryoku.co.jp/