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【私を支える魔法の言葉】
その先にある幸せを見据えて

シンガーソングライターの大垣知哉が「今、会いたい輝く女性」を取材し、人生の支えになった大切な言葉とストーリーを綴る「魔法の言葉」を連載。

amu 代表 徳永 祐巳子さん

(取材日:令和元年10月)

 とくなが・ゆみこ 編集者。昭和52(1977)年、奈良市(旧都祁村)針ケ別所町生まれ。六郷小学校63年度卒業生。天理大学を卒業後、平成11(1999)年春、奈良のタウン情報誌「ぱーぷる」を発行する(株)エヌ・アイ・プランニング入社。ぱーぷる副編集長、naranto副編集長を務める。平成30(2018)年7月より屋号「amu(アム)」を立ち上げ、フリーの編集者として活躍中。主な業務/Daiwa Sakura Aid発行・冊子「ひとひら」編集。NHK文化センター梅田・神戸校「奈良現地講座」講師。書籍・冊子ディレクション、広告制作、ライティング、イベント企画、運営など。地域活動/NPO法人奈良好き人のつどい理事。中登美アンバサダー。


その先にある幸せを見据えて=その先にある幸せを見据えて判断・行動することが大切。そうすればたとえ今がつらくても、きっと乗り越えていける。       


 少子化のあおりを受け、閉校を余儀なくされた奈良市針ケ別所町の六郷(りくごう)小学校。平成29(2017)年3月16日、その閉校式に私は卒業生として参加しました。思い出すのは5、6年生の担任の優しい表情。子ども一人ひとりの個性を認めてくれる心温かい先生でした。6年生の時に新校舎になり、ワクワクしながら通学したこと、卒業式には先生の好きな「乾杯」の歌で送り出してもらい、みんなで号泣したことも記憶に残っています。


《写真左》「ぱーぷる」39市町村特集の表紙撮影時の一コマ。息子も登場《写真右》実家ではお米づくりや芋掘りなど子ども達も一緒に関わっています



 閉校式では最後の校歌を歌いながら、数々の思い出があふれてきました。そして「この学校を存続させたい」という思いも。それは同級生も同じでした。その後、同じ思いを持った同級生数名とともに、クラウドファンディングで資金を募り、小学校の空間を活用したイベント「りくごう a GO―GO!」を同年11月に開催しました。その翌年にはスチールパンバンドと一緒に音を楽しむイベントを行いました。そして今年、きょう10月20日の開催に至ります。子どもから大人まで、きっと笑顔あふれる1日になることでしょう。

 小学校の頃の夢は新聞記者になること。言葉で表現することが苦手な方だったので、情報を発信する仕事に憧れを持っていました。周りの空気をよみすぎるところもありましたが、笑顔だけが取り柄で、友達からは「悩みなんてないやろ?」と言われるほどに。当然、悩みや悲しい時もあったけど、、大きくなるにつれて〝その先にある幸せ〟を意識できるようになっていきました。自分が行動したことで誰かがハッピーになればうれしい。自分には一体何ができるのか。一つのことに留まらず、いろんなことに挑戦したい。就職活動期にはそう思うようになり、巡り合ったのが奈良の情報誌「ぱーぷる」を発刊するエヌ・アイ・プランニングでした。当時はまだ発刊したばかりの新しい媒体でしたが、奈良のさまざまな情報を発信できることに魅力を感じ、就職を強く希望しました。そこで、すでに会社説明会の締め切りが終わっているのにもかかわらず、社長宛てに直談判の手紙を送り、それが功を奏したのか、面接でも「なんかニコニコしている奴がおる」と社内で噂になり、無事に就職が決まりました。
 入社後は次から次へと迫る締め切りに追われ、あくせくする毎日でしたが、入社6年目には編集部を任され、素晴らしい仲間とともにキャリアを積み重ねていきました。

 家族に支えられ、結婚出産を経ても「ぱーぷる」や「naranto」といった情報誌に加え、さまざまな案件を担当する多忙な日々を送っていました。そんなある日、子どもの体に大量のじんましんが出ていることに気がつきました。どうやら寂しさからくるストレスだったようです。
そのことをきっかけに、子どもとの時間を見直したいと考えるようになり、40歳を機に退社することを決意しました。そして、家庭と仕事のさらなる両立を目指して、平成30(2018)年に「amu」を立ちあげ、今に至ります。
 思えば、嫌々手伝っていた家業の農業や曾祖父母・祖父母・父母・兄・私の8人家族の同居など、幼いころから今に至るあらゆる経験が縦と横に織り成し、今の私につながっていることに気がつかされます。六郷小学校のこともそうでしょう。これからも〝その先にある幸せ〟を見据えながら、「amu」つまり出会いを「編(あ)む」ように奈良のひと・まち・ことに関わっていきたいと思っています。


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