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耐久性に優れ職人の現場支えるプラ製工具箱

株式会社リングスター 代表取締役 唐金 吉弘

(取材日:令和3年1月)

工具箱から小物入れなどの商品を取り扱う株式会社リングスター(生駒市北田原町・唐金吉弘代表取締役)は、明治20(1887)年に鏡や木製の箱を作る木工所として大阪府大阪市に創業した。その後、スチール製の工具箱の製造を開始、今では耐久性に優れたプラスチック製の工具箱で職人らの現場仕事を支えている。今年から立ち上げたキャンプブランド「スタークアール」など、今後の展開について唐金社長に話を聞いた。

 同社は創業当時は、おがくずを型に入れて手鏡や小物などを作っていましたが、人件費が高騰したことなどからオートメーション化する商品作りをやっていこうと、昭和37(1962)年ごろからスチール製の工具箱づくりを始めた。

 平成に入ろうかという頃に海外からプラスチック製品が多くなってきたことを受け、唐金社長は先代と渡米。そこで工具箱の約8割がプラスチック製で2割がスチール製という状況を見て、今後は日本でもこういった時代が来ると確信した。

 しかし、日本に帰りプラスチック製の工具箱を作ろうにも知識がなく、機械もない状態。まずは勉強も兼ねて、アメリカからプラスチック製の工具箱を輸入し、日本で販売しようという話になった。 輸入したものを販売し始め数年が過ぎ、日本国内でもプラスチック製の工具箱を作るメーカーが出てきた。日本とアメリカが工具箱を作る上で、もっとも違いがあることは使用される単位。日本はミリやセンチ、アメリカではインチで製品を作ってたため、日本で作られている工具を入れる際に、サイズが合わず収納できないといったことが起こっていた。

 「それで今のままではだめだと思い平成2(1990)年にプラスチック成型工場を生駒市に開業し、社名を今のリングスターに変更しました。そして約1年後、最初に発売したプラスチック製の工具箱『スーパーボックスSR―450』は、今もほぼ変更することなく通用するデザインと耐久性がヒットに繋がり、3年は作っても在庫ができず供給が追いつかないほどでした」と当時を振り返る。

 続けて、「リングスターというブランドは職人の方たちには広く知られていますが、そこから離れるとあまり知られていません。そのため、昨年の令和2(2020)年4月に一般の方を対象にしたキャンプ製品のブランドとして『スタークアール』を立ち上げました」と話す。スタークアールは、立ち上げたばかりで現在は従来品の強度を高めて、差別化を図っている商品を展開している。唐金社長は「今後は色々な新商品を投入し、スタークアールとしての独自商品を作っていきたいです」と意気込みを語る。


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