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地元に愛され、利用されるホテルへ

ANDO HOTEL 奈良若草山オーナー 出口 雅也さん

(取材日:令和2年6月)

 ブライダルを中心に飲食などの事業を展開するディライト(奈良市春日野町、出口哲也代表取締役)は7月1日、若草山ドライブウェイ沿にあるホテル「遊景の宿 平城」を改修し「ANDO HOTEL 奈良若草山」をグランドオープンさせる。ホテルのオーナーを務める出口雅也さん(38)は、ブライダルや飲食事業で学んだ人間関係を重視し、県外だけではなく地元のお客にも利用してもらえるよう〝提案するホテル〟を目指すと語る。


 布綿製品の製造業を行っていた「出口綿業」の次男として出口さんは、昭和56年(1981)年に生まれた。会社は平成16(2004)年にザ・ヒルトップテラス奈良をオープンさせ、ブライダル事業に参入。翌年には「ディライト」へと社名を変更した。
 出口さんは、スウェーデンの大学で顧客との関係を継続的に築き上げ、その結果売上げや利益、さらには企業価値を向上させるという経営手法「カスタマー・リレーションシップ・マネジメント」について学んだ。大学卒業後は、製造小売り業界が伸びると考え、インテリア小売業大手に就職。そこで、入荷作業のパート約40人の管理や、担当商品のシーズン前の仕入を任され力をつけていった。
 2年ほど経った同19(2007)年、兄・哲也さんからの誘いがあり、ディライトへ就職。ブライダル事業で10年働き、その後、飲食事業部の責任者として就任し今年で約5年目を迎える。飲食事業では大幅な赤字が出ていたが3、4年ほどで収支が合う状態まで持ってこれたが、今年は新型コロナの影響が大きいという。
 今回、出口さんは自らホテルのオーナーをさせてほしいと現在ディライトの社長の哲也さんに申し出た。飲食事業部に加えホテルの責任者を兼任する。ホテル事業については、ディライトの子会社の別会社が運営する形になっている。
 実際にホテル運営を始めると「これまでのブライダルや飲食事業で勉強してきた部分が活用できる」と感じたと話し「ブライダルではお客さまへ提案することで人間関係を築いていた。ホテルではチェックインの際に『明日すること』を書いてもらい、行き先に合わせた奈良の魅力をより感じてもらうことができるスポットをご提案するようにしています。さらにはその提案内容を従業員で共有していきたい」と語る。
 加えて「飲食業で感じたことの一つ『地元のお客さまをいかに大事にできているか』が重要になると考えています。コロナ対策をしっかりした上で5月からプレオープンしていますが、約7割は地元から来てくださっています。地域に対してどこまで活用できるホテルになるかというのは、兄ともほぼ毎日話しています」
 ホテルでは若草山の山頂での星空鑑賞や2月堂のホタル見学など、その季節に合わせたツアーを実施。また、山頂でのヨガや春日原生林散策といったホテルの立地を活用した宿泊プランを展開する。出口さんは「ホテルでできる地域おこし、ホテルだけどホテルの枠にとらわれれないことをしていきたい」と、奈良の街並みを一望できるホテルから、今後の奈良のホテルの展望を語る。


でぐち・まさや
1981年9月2日、天理市生まれ。38歳。大阪学院大学からスウェーデンのイエブレ大学に交換留学として編入する。顧客との関係強化を図ることにより獲得収益の最大化を図るカスタマー・リレーションシップ・マネジメントについて学び、卒業後はインテリア小売業大手へ就職。2006年に兄からの声を受けディライトへ。プライダル部門で10年、飲食事業部で5年務める。アンドホテル奈良若草山のオーナーに名乗りを上げた。ホテルへの問い合わせは☎0742(23)5255へ
 URL:https://andohotelnara.com/

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